メニュー

専門医インタビュー

治療を受けても改善しない腰や太ももの痛みまずは一度、股関節の専門医を訪ねましょう!

この記事の専門医

熊本県

プロフィールを見る

日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医、
日本体育協会認定スポーツ医

この記事の目次

術後のリハビリから退院までの流れを教えてください。

リハビリテーション室と階段昇降

リハビリは術後2日~3日から開始します。基本的にリハビリ開始初日から歩行訓練を始め、早い人では1週間~10日間で病棟内を歩行器や杖を使って歩けるようになります。患者さんの中には、2週間で階段昇降の訓練を始める人もいます。ただし、入院期間中は歩行訓練をしている時間よりもベッド上にいる時間の方が長いので、ベッド上での自主トレーニングも重要です。無理に急ぐ必要はありませんので、患者さん一人ひとりに合ったペースで進められるように指導をしています。入院期間は平均3週間~1ヵ月です。60代~70代の患者さんの中にはもっと速く回復される人もいますが、どんなに早くても3週間は入院していただき、傷のチェック、筋力のチェック、レントゲンでの画像チェックなどをしっかりと行った上で帰っていただくようにしています。高齢者や複雑な手術を行った人の場合には、退院後はリハビリテーション病院に転院していただき継続してリハビリを行っていただく場合もあります。

術後の定期検診では何をチェックするのですか?


定期検診では、術後3ヵ月、6ヵ月、1年後に人工股関節の状態をチェックし、その後は多い人で半年に1回、少ない人でも1年に1回は生涯に渡って来院していただくようにお願いしています。検診時にはレントゲンチェックの他に、「日常生活で困ったことがないか」、「普段どういった生活をしているか」などをお聞きし、患者さんの日常生活における変化の把握を行っています。 人工股関節を長持ちさせるためには、「太りすぎないこと」、「激しい運動・作業を控えること」、「転倒しないこと」などが大切ですが、せっかく手術を受けたのですから、ぜひ残りの人生をエンジョイしてもらいたいものです。旅行やゴルフを楽しむくらいは全く問題ありませんし、体重の負荷がかからない状態で筋力トレーニングができる水中ウォーキングやスイミングはダイエット効果も期待できるので、積極的にお勧めしています。車の運転や自転車に乗ることも大丈夫ですし、正座やあぐらも基本的には禁止していません。「過剰に捻りのある動作さえ行わなければ、そんなに神経質になる必要はありません」とお話ししています。

人工股関節を長持ちさせるポイント

  • 太りすぎない
  • 激しい運動・作業を控える
  • 転倒しない
  • 洋式の生活スタイルにする
  • 股関節周囲の筋肉を鍛える

手術を受けるかどうか迷われている患者さんにアドバイスをお願いします。

人工股関節置換術は除痛効果が高く長期成績の良い手術ですから、患者さんの満足度は非常に高く、皆さんとても喜ばれます。また、長年の股関節痛から解放されることで、多くの患者さんが活動量・活動範囲を拡大しイキイキとした生活を送られています。患者さんの中には日本舞踊などを趣味にされている人もおり、「また踊れるようになりますか?」と聞かれますが問題はありません。皆さん無事に続けておられます。畑仕事や肉体労働なども術後半年くらいで復帰可能ですが、無理をしない範囲でおこなうべきでしょう。股関節が悪いと脚を引きずって歩くようになり身体が上下左右に揺れることが多いのですが、退院後に筋力が回復してきてまっすぐに歩けるようになると、皆さんとても若返られますね。人工股関節置換術を行った場合、その後のメンテナンスなども含め、患者さんと担当の医師・病院とのお付き合いは一生続くと考えています。マスメディアやインターネットなどの情報だけに頼らず、かかりつけ医の助言や手術経験者の話などにもしっかりと耳を傾け、十分に検討した上で受診する施設を選ぶといいでしょう。


この記事の医師がいる
病院の詳細はこちら

ページの先頭へもどる

PageTop