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専門医インタビュー

変形性膝関節症 治療方法も様々 諦めず、不安がらず、気軽に相談を!!

この記事の専門医

坂本 憲史 先生

熊本県

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1980年 鹿児島大学医学部卒、熊本大学整形外科入局。1986年 博士号取得。1987年 東京大学・千葉大学・帝京大学に国内留学、膝関節外科修練。1988年 熊本赤十字病院整形外科副部長、1992年 斉藤和病院副院長、2000年 南部中央病院院長、2012年より現職。
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本リウマチ学会専門医、厚生省義肢装具等適合判定医、日本医師会認定産業医、身体障害者等級認定指定医

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この記事の目次

各手術の詳細やメリットは?

骨切り手術

骨切り手術

まず、「骨切り手術」は、50~60代の方・変形の度合いが比較的軽い方・ジョギングをしているなど運動の機会が多い方などにお勧めしている方法です。
関節付近の骨を切って形状・位置・向きを整え、膝への負荷を軽減していくというもので、変形性膝関節症だけでなくO脚矯正などにも用いられる医療技術です。後述する「人工膝関節置換術」は術後に高い効果を期待できるものの、人工関節の性質上激しい運動をする方には不向きなため、日常的に活動性が高い方にはこの骨切り手術が適していると考えられています。
「人工膝関節置換術」は、変形している膝の関節を人工のものに置き換えるという方法です。部分置換と全置換の2つの方法があります。

変形性膝関節症のレントゲン(膝の内側が痛んでいます)

変形性膝関節症のレントゲン
(膝の内側が痛んでいます)

人工関節は3つのパーツによって構成され、その組み合わせで安全かつ自然な膝の動きを再現できるようになっています。コバルトクロムなどの金属やポリエチレンでできていて、その高耐久性と滑らかな動きによって、膝の状態を改善するものです。
軟骨の損傷が内側だけで靭帯が健常であることが認められれば、(すべてを置き換えることなく)部分置換を行います。
「部分置換術」の大きなメリットは、侵襲が少ないことです。全置換と比較すると手術時間が短い・痛みが少ない・可動域を広く得られる……という効果もあり、患者さんの心身のストレスを極力抑えることができます。より自然な動きを実現でき、中には術後に正座ができるところまで回復される方もいらっしゃいます。
膝の変形が少ない方で手術に進まれる場合は、前述の骨切り手術と人工関節の部分置換術の2つからどちらかを選択するというケースがほとんどとなっています。
これに対し、変形が進み、痛みが激しくて日常生活に大きな支障が出ているような患者さんには、膝関節をすべて人工関節に置き換える「全置換術」を検討していきます。
骨切りや部分置換術と比べると大変という印象を持たれるかもしれませんが、人工関節に関する技術は日々進歩しており、全置換を用いた場合も、術中・術後における患者さんの心身のご負担は非常 に軽いものとなっております。

「人工膝関節置換術」についてさらに詳しく教えてください。

手術は基本的には腰椎麻酔で行いますが、手術に対する不安や恐怖心が強い方には全身麻酔を行い、精神的なストレスを抑えるよう配慮しています。
手術時間は、片足で1時間半程度です。両足とも変形性膝関節症になっている方も、当院では一度に手術せず、片方ずつ手術を行います。両足を一日で手術してしまうことも可能ですが、執刀医が一つの手術に集中力をもってしっかり対応し、その成功と確実な効果を引き出すため基本的には片足ずつとさせていただいております。手術の間隔は、患者さんのお仕事や生活環境などの状態を見極めながら4週間~5週間としています。
入院は、一般的な医療機関では10日~2週間程度とされていますが、当院では4週間~5週間の入院期間を設けております。早い方は術後3週間で普通に歩けるところまで回復しますが、傷や腫れの状態などが完全に落ち着くまではもう少し時間を要します。

人工膝関節部分置換術後のレントゲン(正面と側面)

人工膝関節部分置換術後のレントゲン(正面と側面)

人工膝関節全置換術後のレントゲン(正面と側面)

人工膝関節全置換術後のレントゲン(正面と側面)


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