関節治療の専門医に聞いてみました!

第169回 変形性膝関節症治療方法も様々
諦めず、不安がらず、気軽に相談を!!

ドクター
プロフィール
1980年 鹿児島大学医学部卒、熊本大学整形外科入局。1986年 博士号取得。1987年 東京大学・千葉大学・帝京大学に国内留学、膝関節外科修練。1988年 熊本赤十字病院整形外科副部長、1992年 斉藤和病院副院長、2000年 南部中央病院院長、2012年より現職。
資格:日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本リウマチ学会専門医、厚生省義肢装具等適合判定医、日本医師会認定産業医、身体障害者等級認定指定医
エリア 熊本県タグ
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坂本 憲史 先生

高齢化が加速している現代、加齢にともなって起こる「膝の痛み」でお悩みの方も増加しています。「年齢のせいだから仕方ない」「治療が不安」といった理由で諦めず、ぜひ専門医にご相談してください。医療技術の進歩によって痛みや不安を取り除き、快適な生活を取り戻すことが期待されます。その詳細について、膝関節のエキスパートである南部中央病院・院長の坂本憲史先生にお伺いしました。

膝の痛みの原因にはどのようなものがありますか?

ご高齢の方において、膝に痛みを伴う疾患は、関節リウマチや関節水腫(水が溜まる)などいろいろありますが、多くを占めるのが「変形性膝関節症」と言われる病気です。(Osteoarthritisという英語名から「OA」とも呼ばれます)当院に膝の痛みを訴えて受診される方も、この変形性膝関節症の方がほとんどです。
もともと70代~80代の方に多い疾患で、加齢によって膝の軟骨がすり減り、膝の変形・痛みなどを引き起こしてしまうものと考えられています。近年は50代・60代でもこのお悩みを抱える方が増えていますが、いずれの世代も男性に比べて女性の方が圧倒的に多いという点も特徴です。
治療法には、保存療法と手術療法があります。レントゲンでわかる膝の変形や痛みの度合い、さらに、その方が抱えている内科的疾患などを鑑み、治療を進めていきます。

具体的な治療法についてお教えください。

膝関節の潤滑を促す簡単な運動

膝関節の潤滑を促す簡単な運動

変形性膝関節症で当院を受診される方には、他の病院や民間施設でヒアルロン酸注射・電気治療などを試みたものの、どうしても改善しない……という方もいらっしゃいます。だからと言って、当院にお越しいただいたすべての方がいきなり手術に踏み切るというわけではありません。まずは進行の状態を見ながら、3ヶ月程度は保存療法を行っていきます。また内科的な疾患があり、手術を行うのが難しい方も保存療法で進めていくことになります。
保存療法としては、鎮痛剤や湿布などの投薬に加えて、体重を減らし膝への負担を軽減するための「食事療法」や、筋力をつけるための「運動療法」が挙げられます。運動療法は、筋力をつけることで内側から膝を支え、変形している関節への負担を軽くし、痛みを和らげるというものです。また、スクワットのように膝に体重をかけるのではなく、椅子に座った状態で足をブラブラさせるというとても簡単な運動も行います。すり減ってしまった軟骨は再生しませんが、動かすことでその潤滑を促すことができるため、痛みの低減へとつながるのです。
但し、痛みを抱えている・高齢であるということから、入院するなどして環境を整えないと、個人で食事を制限したり運動を取り入れたりするのは困難なケースも多々あり、なかなか効果を期待できないということもあります。
初診時からかなり症状が進行しているという方や3ヶ月間保存療法を行ったけど、どうしても痛みの改善が難しいという方には、手術を検討することになります。

どのような手術法がありますか?

膝OAの手術には、「骨切り手術」と、「人工膝関節部分置換術」「人工膝関節全置換術」の3つがあります。
しかし、手術の内容にかかわらず、体にメスを入れるということそのものに不安や恐怖心を抱く方もいらっしゃることでしょう。
当院では、3カ月間の通院・保存療法を続けて頂いている間に、患者さんとのコミュニケーションを積極的に行い、まずは厚い信頼関係を築いていくことを心がけています。これまで多くの変形性膝関節症の患者さんと向き合ってきた経験や実績をもとに、丁寧にご説明し、少しでも不安を取り除けるよう取り組みを重ねています。
手術が必要な方に対しても、まずは各術式のメリット・デメリットや安全性をしっかりお伝えします。その上で、患者さんの生活環境や精神面など様々なことを考慮し、また、ご本人様にも十分ご納得いただいてから、手術の方法をお選びいただいております。


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