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関節の痛み

関節リウマチ(RA)治療法

(2)薬物療法

薬物療法は大きく二分されます。免疫(めんえき)異常であるリウマチそのものを治療する薬剤(抗リウマチ薬、生物製剤)を用いた原因療法と、リウマチによる炎症(えんしょう)や腫れ・痛みを抑える薬剤(非ステロイド系鎮痛消炎剤、ステロイド剤)を用いた対症療法です。
近年では生物製剤の登場により原因療法が治療の主役となり、対症療法は脇役という考え方がなされています。

薬剤には効能と一緒にかならず副作用があります。不安があれば、かならず医師や薬剤師に相談しましょう。

抗リウマチ薬(DMARDs; disease modifying anti-rheumatic drugs)

非ステロイド系鎮痛消炎剤やステロイド剤が、関節の炎症自体に対し処方されるのに対し、抗リウマチ薬は、関節リウマチの免疫異常の制御を目的として処方されます。免疫異常を制御することで、関節の炎症やリウマチ進行の抑制を期待できます。効果は高いものの、副作用の発現率が30~50%と高いため、服用時には定期的な検査が必要です。
副作用には軽微なものも含まれています。

生物学的製剤

リウマチを引き起こしている炎症性サイトカインに対し分子レベルで作用する薬剤です。
大腸菌など生物を利用し作られているため生物学的製剤あるいは生物製剤と呼ばれます。日本国内では2種類の生物学的製剤がすでに薬事認可され、利用されています。関節炎を引き起こす炎症はサイトカインの作用を直接ブロックするので従来のDMARDsでは抑制されなかった関節炎に対して高い効果が得られる反面、副作用の危険が指摘されております。高額であるという問題もあります。

ステロイド剤

ステロイド薬は消炎作用が大変強く、関節リウマチの炎症をすぐに抑えることができます。しかし、継続して同じ効果を得るためには、徐々に服用量を増やさなければならず、長期服用により強い副作用が現れたり、長期服用の後に服用を止めると症状が以前より悪化してしまう、長期服用で骨粗しょう症を引き起こすなどの問題が指摘されています。一般的に、処方のタイミングは次のような場合に限定されます。

  • DMARDsやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬(こうえんしょうやく))でも症状のコントロールが難しく、痛みが強い場合
  • 妊娠時や副作用によりDMARDsやNSAIDsを使用できない場合
  • DMARDsの効果が出るまで、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を重視し痛みを抑える必要のある場合
  • 悪性関節リウマチによって血管や内臓で炎症が引き起こされる場合
  • 急性進行型のリウマチにより発熱や全身の多発関節炎が起きた場合
  • 手術や出産により大きなストレスがかかった場合

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs; non-steroidal anti-inflammatory drugs)

対症療法としては最も一般的で、形態は大きく分けて4種類あります。

  • 経口(けいこう)剤[例) アスピリン、インドメタシン、フェンブフェン]
  • 注射剤
  • 坐薬
  • 経皮(けいひ)吸収剤[例) 軟膏(なんこう) /外用液/湿布]

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