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専門医インタビュー

専門のスタッフがサポート 人工股関節全置換術で痛みのない新たな人生を!

この記事の専門医

深谷 英世 先生

東京都

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日本整形外科学会、日本股関節学会、日本臨床リウマチ学会、日本人工関節学会 1993年 東京大学医学部卒業、東京大学整形外科学教室入局、東京大学附属病院勤務(整形外科研修医)。1994年 三井記念病院勤務、1994年 社会保険中央総合病院(現JCHO 東京山手メディカルセンター)勤務。1995年 心身障害児総合医療療育センター勤務。1996年 JR東京総合病院勤務。1998年 国立身体障害者リハビリテーションセンター勤務。2000年 東京都立墨東病院勤務。2003年 東京大学附属病院勤務、2004年 JR東京総合病院整形外科 整形外科主任医長。2013年より現職。日本整形外科学会 専門医。

この記事の目次

手術時間が短く、出血も少ない人工股関節全置換術(THA)

人工股関節の一例

人工股関節の一例

変形性股関節症の最終的な治療法が人工股関節全置換術(THA)です。痛みを取り除き、股関節の機能を改善する手術方法です。
全国から患者さんが来院されますが、最近はインターネットなどから情報をとられ、THAのことをよく知られている方もいらっしゃいます。
THAは、骨粗しょう症の方でも行うことはできますが、稀に、全身麻酔の手術に耐えられないほど心臓が悪いなど、希望されてもTHAの適応にならない場合もありますが、ほとんどの方は、手術を受けることができます。
THAに特化したスタッフによって、手術時間は30~60分程度で終えることが出来、出血も比較的少量で済みます。
当院では、週に7件ほどTHAを行っていますが、期待以上に機能が回復して喜ばれている手術です。対象年齢はだいたい30代前半~80代後半と以前より幅が広くなっています。
ただし股関節がボロボロになってからではなく、まだ筋肉がしっかり動ける状態の時に、早めに手術をして機能を取り戻すことが大事です。

MISとは?

人工股関節全置換術後のレントゲン

人工股関節全置換術後のレントゲン

THAは、MIS(Minimum Invasive Surgery:最小侵襲手術)という方法を用いて行っています。通常15~20cm程度皮膚を切開し手術を行うのですが、この最小侵襲手術の定義は、10cm未満の切り口であること。当院では、女性の場合の傷口は7~8cm、男性でも9cm程度です。
以前は大きく皮膚を切って中の筋肉も大きく切って行っていましたから、どうしても術後の回復が遅く、痛みが残ったり、動きづらいという難点がありました。
最小侵襲手術は、出来るだけ筋肉や軟部組織を切らない手術方法なので、痛みが軽減でき、回復も早いのが特徴です。
また、両方の股関節が変形しており、同じくらい痛い場合、両方同時に手術することもあります。片方を治療しても、もう片方の痛みが残ったままだと、リハビリの際に痛い足をかばって、かえってリハビリが上手く行えないので、そういう場合は両方同時に手術を行います。

脱臼しにくい手術の工夫

手術を行うに前に、手術計画をデザインしておきます。人工股関節の種類やサイズ、挿入する角度や適切な位置、脚の長さなど、個人個人に合わせて決めておきます。以前は、人工股関節は脱臼しやすいと言われていました。そのため、どのようにすれば脱臼しにくい手術が出来るか試行錯誤していました。
しかし最近は、人工股関節そのものが改善され脱臼しにくく、手術方法も進歩しています。手術は、MISで行うだけでなく、術前計画通りにできているかどうか、患者さんがうっかり危ない姿勢を取っても大丈夫だろうかを確認します。さらに、手術の際に股関節を包み込んでいる袋(関節包)を切るのですが、脱臼予防のために関節包の再建や、股関節の動きを良くするために、骨を削る量を調整したり関節周囲の筋肉や腱のバランスを整えます。つまり、ただ人工股関節を正しく入れるだけではなく、脱臼の心配なく使いやすい関節にするためには、様々工夫が必要となるわけです。
このように手術方法や人工股関節も以前と比べ大幅に改善されているため、以前は禁忌とされていた動きも出来るようになり、脱臼の心配はほとんどありません。


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