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専門医インタビュー

人工股関節置換術で人生が変わる 動ける股関節を手に入れよう

この記事の専門医

徳永 邦彦 先生

新潟県

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1988年 新潟大学医学部卒業、新潟大学整形外科入局。1990年 新潟労災病院・整形外科勤務。1991年 新潟県立小出病院・整形外科勤務。1993年 新潟大学大学院入学、東京大学医科学研究所・感染症研究部留学。1995年 大阪大学・病理学教室留学。1997年 新潟大学大学院卒業、インディアナ大学・解剖学教室留学。1999年 新潟県立がんセンター病院・整形外科勤務。2000年 新潟大学附属病院・整形外科助手。2006年 新潟大学医歯学総合病院・整形外科講師。2007年より現職。

この記事の目次

手術前のシミュレーション、オーダーメードの設計図

レントゲンシステムの外観

レントゲンシステムの外観

手術の前に、その人その人に合わせて、最もいい位置に正しく、どういう角度から挿入すればいいのかなどをシミュレーションしています。私が最もこだわっているのが、人工股関節を正確な位置に挿入することです。
そのために、患部のCTを撮って、そこから3次元の画像を作り、その人に合ったサイズ、挿入角度や位置などの術前計画をたてます。
更に立った状態で正面と側面を同時に撮影出来るレントゲンを使い、立った状態での骨盤の傾きを調べます。手術は寝た状態で行うのですが、寝ている時と立っている時では骨盤の位置が違います。立った時に骨盤がどの位置にあるかなどを確認したうえで、人工股関節の適切な位置などを事前に決めていきます。
このように、手術の前には、一人ひとりオーダーメードの設計図を作っています。

ナビゲーションシステムを活用

私は、コンピューターを用いたナビゲーションシステムを活用して手術を行っています。手術中に患者さんの骨盤が動くことがあり、術前に計画していた通りに手術を行いにくい場合があります。ナビゲーションシステムを利用すると、患者さんの骨盤が動いても、画面上でそのズレを調整してくれ、手術前にシミュレーションをした設計図通りに、患者さんにあったサイズと角度、位置に人工股関節を入れていく、正確な手術ができるようにサポートしてくれる装置です。
手術中、患者さんは横向きに寝てもらいます。以前は、前方から手術を行っていたのですが、股関節の変形が進んでいたり、骨が弱い、足が全く動かない人の場合、あるいは難しい再置換術や、手術中に骨が折れるなどのハプニングが起こった場合には対処しにくいのも事実です。あらゆる症例に対処するためには、横向きの体位が適していると思います。
また手術中に起こるかもしれないあらゆることを想定し、万全の態勢で手術に臨むようにしています。

ナビゲーション装置

ナビゲーション装置

ナビゲーションでの術前計画と術前後のX線写真

ナビゲーションでの術前計画と術前後のX線写真

翌日から歩いて、7~10日で退院

執刀時間は1時間半ほど。患者さんは、手術の翌日には何にもつかまらずに歩いてもらっています。「エーッ 立てるかしら」とびっくりされますが、ほとんどの人はできるのです。
入院中は1日に2回患者さんの様子を診に行っています。患者さんは、我々医師には中々本音を話しにくいかもしれません。出来るだけ、患者さんに溶け込み、患者さんと同じ目線に立ち、たくさんのお話を伺うようにしています。
そのせいか「先生」ではなく「徳ちゃん」と呼ばれることが多いですね。
入院期間中にはしっかり動いてもらい、階段の上り下りが不安なくできるようになれば、ほとんどの方は杖なしで、1週間で退院するのが普通です。


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