人工関節コラム

コラム 14
膝の片側だけを人工関節に

先のコラム12でご紹介したように、日本人には変形性膝関節症にかかりやすい傾向がみられ、毎年4万件以上の人工膝関節置換術が行われています(*1)。
ところで、人工膝関節置換術には全置換術、単顆(たんか)置換術という2種類の術法があることをご存知でしょうか?
今回はそのひとつ、人工膝関節単顆置換術(UKA)についてご説明したいと思います。

単顆置換術と全置換術の違いは?

人工膝関節置換術とは、変形性関節症、骨壊死、関節リウマチなどで変形した膝関節の表面を取り除き、人工関節に置き換える手術方法です。
膝関節は大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、そして大腿四頭筋と膝蓋腱に支えられた膝蓋骨(お皿)で構成されていて、大腿骨-脛骨間の内側・外側と大腿骨-膝蓋骨間(膝蓋大腿関節)の計3ヶ所に関節があります。一般的に人工膝関節置換術としてよく知られているのは全置換術で、これは3つの関節すべて、または膝蓋大腿関節を除く内・外両側の関節を人工関節に換えるものです。
それに対し、3つの関節の中から内側か外側の1ヶ所だけを人工関節に置き換える手術を、人工膝関節単顆置換術(UKA=Unicompartmental Knee Arthroplasty)といいます。

人工膝関節単顆置換術 前後のレントゲン写真

単顆置換術の利点と適用の目安

人工膝関節単顆置換術は、全置換術と比べて骨の切除量が少なく、手術の傷跡も小さくてすみます。また、膝関節内の靭帯を温存することができるなど、身体への負担を軽減してスムーズなリハビリテーションや早期の回復をはかることも期待できます。
では、どんな方が単顆置換術に向いているのでしょうか? 目安としては下記のような条件が挙げられます。
置換が1ヶ所となるため手術を受けられる条件がある程度限られてしまうことは否めませんが、こうした条件をすべて満たしている患者さんで、特に65歳以上の方であれば、この手術に適応しているといえます。

これらすべてに該当する方は単顆置換術に適応していると考えられます。

薬や注射などの保存的療法で膝の症状が改善されない場合、手術は有効な選択肢のひとつであり、その代表的な手術法が人工膝関節置換術です。
なかでも、身体への負担が少ない単顆置換術は、患者さんの立場からみれば比較的決断しやすい手術法ではないでしょうか。
もちろん、症状や術後の効果は一人ひとり異なりますから、最終的な手術の可否は担当ドクターの判断によりますが、実施件数をみても人工膝関節単顆置換術の実績は2001年以降、着実に伸展しています。

(*1) 第2回働き盛りと高齢者の健康安心分科会 資料3-3 平成19年2月2日(厚生労働省)
(*2) 「2012年版 メディカルバイオニクス(人工臓器)市場の中期予測と参入企業の徹底分析」(株式会社矢野経済研究所)をもとにジンマー バイオメット作成

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